宅建試験において、制限行為能力者について出題されることが多いです。
今回は,制限行為能力者の未成年者について詳しく解説したいと思います。
未成年者の法定代理人とは、未成年者が法律上の行為を行う際に
代わりに行為を行うことができる者のことです。
未成年者は、法律上の行為を行う能力が制限されており
その代わりに法定代理人が代理して行為を行うことができます。
未成年者の法定代理人には、以下のような者が挙げられます。
- 父母
- 祖父母
- 兄弟姉妹
- 親族
- 監護者
- 許可された後見人
- 法人
未成年者の法定代理人権限は下記の4つです。
下記の表はよ~く覚えてください。
法定代理人の権限 | 同意権 ○ 代理権 ○ 取消権 ○ 追認権 ○ |
未成年者のした行為の取消や追認について
未成年者が行った法的な取引や契約、あるいは法律上の行為について
その取り消しを求めることができる場合があります。
これは、未成年者がその時点で法律上の行為に必要な十分な判断能力を
持っていないと見なされることがあるためです。
未成年者(17歳までは制限行為能力者)を保護するために
未成年者がする行為を法定代理人(両親や未成年後見人)
の同意(する前に許可をもらう)や追認(やった後に相手に許可する)が
必要になります。親の同意や追認が無い未成年の行為は(無効ではない)
未成年者本人・親が取消することができます。
未成年者が契約を締結した場合、その契約は一定の制限があります。
未成年者が契約を締結する場合、法律上の代理人である
親権者、後見人、裁判所の許可を必要とすることがあります。
また、未成年者が契約を締結した場合でも
一定の時効や催告権の制限が課せられることがあります。
まず、未成年者の契約における時効について説明します。
時効とは、契約に基づく権利を主張するためには一定期間内に
訴訟を起こす必要があるという原則です。未成年者の場合
契約の時効は成年に達した後、一定期間内に訴訟を起こす必要があります。
時効期間は、一般的に5年または10年です。
ただし、未成年者の場合は、時効期間が成年後1年から始まることがあります。
次に、未成年者の契約における催告権について説明します。
催告権とは、契約を締結した側が相手方に対して
履行を要求するためにあらかじめ通知することが必要であるという原則です。
未成年者の場合、催告権は未成年者が成年に達した後
一定期間内に行使する必要があります。
催告権の期間は、一般的に3年です。
なお、未成年者が契約を締結した場合には
一定の事情がある場合には契約を取り消すことが出来ることがあります。
たとえば、未成年者が法律上の代理人である親権者、後見人、裁判所の許可を
得ずに契約を締結した場合や、未成年者の判断能力が不十分であった場合などです。
このような場合には、未成年者が成年に達した後に契約を
取り消すことができる場合があります。
未成年者が法定代理人の同意なしで単独で出来る行為があります。
1.結婚しているもしくはしていた(成年擬制)
結婚した経験があれば未成年者でも成人とみなされていました。
令和4年4月1日から民法の改正で18歳で成人になるので
親の同意は必要なくなりました。
ちなみに女性の結婚できる年齢は男性と同じ18歳からに引き上げられました。
2.法定代理人が目的を定めて処分を許した財産をその目的の範囲内で使う
学校の学費や寮の下宿代等に使う。
3.目的を定めないで処分を許した財産
親からもらったお小遣いを範囲内で自由に使う。
中学生がお店でジュースを買うのにお店と売買契約を交わしたことになるが
いちいち親の同意をえてなくてもみんなお小遣いの範囲内から買っていますもんね。
4.許可された営業に関する行為
たとえば未成年者が親にラーメン屋を任されていて材料の仕入れを
するのには同意はいりません。
ただし,店の経営に関係のない買い物は親の同意が必要です。
5.単に権利を得たり義務をまぬがれる
贈与(人からお金をもらう)を受ける行為は未成年者を不利にしたりしないためです。
制限行為能力者とは、未成年者や成年後見人、被保佐人、精神障害者等の
一部の人々を指します。制限行為能力者は、一定の法律行為については
自分で判断や決定ができないため、その行為については
法定代理人の同意が必要とされます。
未成年者の場合、一定年齢以下の場合には、全ての法律行為について
制限行為能力者とされます。例えば、日本の場合、18歳未満の未成年者は
法定代理人の同意が必要な法律行為について制限行為能力者となります。
制限行為能力者の未成年者は、以下のような制限が課せられます。
契約の締結について 未成年者は、法定代理人の同意がなければ
契約を締結することができません。ただし、一定の契約については
法定代理人の同意を得ることなく、自分自身で締結することができます。
例えば、日常生活に必要な費用を支払うための契約や
自己の収入に関する契約などが該当します。
財産について 未成年者は、法定代理人が管理する財産を除いて、自分自身で財産を管理することができません。ただし、自己の収入については、法定代理人の同意を得ることなく、自分自身で管理することができます。
婚姻について 未成年者は、法定代理人の同意がなければ、結婚することができません。
就労について 未成年者は、就学が義務付けられている場合には
法定代理人の同意がなければ、就労することができません。
ただし、一定の例外があります。
以上が、制限行為能力者の未成年者に課せられる主な制限です。
未成年者は、自分自身で法律行為を行うことができる年齢に達するまで
法定代理人の指導や支援を受けながら、成長していくことが求められます。
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